3冊目の本を出版いたしました。タイトルは、「気功瞑想でホッとする」です。 この本は瞑想について解説している本です。 1冊目の本「気功生活のすすめ」では気功の全体像を、2冊目「背骨ゆらゆら健康法」では気功の動功について説明しました。今回の3冊目の本「気功瞑想でホッとする」では、気功の静功――瞑想(禅定)について説明しています。 一.本を書いた目的 「病は気から」という言葉はよく知られています。この「気」には二つの意味があります。一つは体の中のエネルギーの事で、もう一つは気持ちの事です。 身体の健康は、体内の気の流れと気持ちに繋がっています。気持ちが安らぐと気が活性化し、体質が改善され健康になります。この気持ちは一時的な喜怒哀楽の事ではなく、もっと深いところに在る気持ちの事です。同じ落語を聞いて笑っていても、深い悩みを抱えている人と、順調で幸せに暮らしている人とでは、深いところの気持ちが違います。健康状態はその深い、根本の気持ちと大きくかかわっています。現代は根本の気持ちが原因で病気になっている人が増えています。気功の真髄は瞑想にあります。瞑想は根本の気持ちを改善するのに最善の方法ですので、今回の本で、瞑想の内容を詳しく説明することにしました。 二.本の内容 (注:項目の前に「・」印がついているのは本の目次です) 1.瞑想に入る前 瞑想は気持ちの訓練ですから、瞑想の前に気持ちに関するすべてを整える事が大事です。それにより「事半功倍(半分の練習でも効果は倍になる事)」します。 ・気功と健康 ・気功の概念について ・信じる事と気功 ・瞑想の正道の入門 ・普通の生活と気功 2.瞑想の状態、段階と気感 瞑想は理論ではなく体験ですから、体で感じることです。瞑想すればする程、必ず感じる事柄をなるべく分かりやすくまとめました。流派が違っても、瞑想の仕方が違っても、瞑想すればする程、体験は一緒になります。 ・瞑想―二重に遮断する ・雑念を減らす ・瞑想の段階について ・意守気動 ・意随気行 ・奇景八触 ・瞑想時の気感の強弱について ・止観について ・三つの体と心について 3.瞑想の方法 瞑想にはいろいろな方法がありますが、ここで選んだ方法は現代人に一番合うと思います。いろいろな瞑想法を習うより、一つの方法を深く体験する方が良いでしょう。 「六妙門」という瞑想法は、私の上海の先生から「この功法は歴史が長く、大変効果があると証明されているので、日本の皆さんに紹介して下さい。」と言われました。現実に集中コースの中で、一番人気のある功法です。 ・七支座法 ・瞑想時の意識と気持ちの動き ・瞑想時の呼吸 ・呼吸に集中することから瞑想に入る良さ ・六妙門 ・正しい瞑想を行いましょう ・瞑想の最初の段階は、緊張とホッとする気持ちの繰り返し 4.瞑想と人生 瞑想は気持ちの訓練なので、練習していない時でも、常に気持ちが安らげるように意識していると、瞑想は人生と上手く融合して、一体になります。 ・無と空 ・健康のために良い気持ちに集中しましょう ・気功と人生 ・道、見、言、行は一致しています ・人格と気功 ・瞑想と迷走 ・地震と気功 ・練功を継続させるコツ ・瞑想の効果について 5. 付録 ・動から静に静から動に ・花粉症対処法 ・気功、瞑想の体験談 三.本の特徴 この本の特徴は、以下の4つです。 1.中国の瞑想についての文化をなるべく正しく伝えています。 瞑想は2000年以上の歴史を持ち、内容は莫大です。しかしその中身は玉石混交です。瞑想の目的により、たどり着くところはそれぞれ違います。 ですが主流としての瞑想は「心身双方の健康のため」だけです。 仏教系の瞑想は、特に気持ちを安定させる事を強調しています。正しい瞑想の文化は、古来の良書と良い先生の教えの中にあります。この本の中でそれを紹介し、仏教系の瞑想を正しく伝えます。 2.自分の瞑想中の体験をまとめました。 私は、幼少時に文化大革命が起こり、学校は休みが多かった為、いろいろな運動をする機会が多く、自ら体を鍛えることが好きになり、そのおかげで気功と出会い、熱中するようになりました。1年間仕事を休職し、静かな部屋で練習中心の生活を送る程でした。この本は、自分の練習の体験に基づいてまとめました。 3.約20年間、気功と瞑想を教えてきた経験をもとに分かりやすく書いています。 瞑想という状態は、曖昧な中に何かがあり、朦朧の中に実の世界があります。このような状態を言葉や文字で表現するのは、難しく限界があります。また、日本と中国の文化の違いにより、同じことでも説明の仕方が違います。幸い、私は日本で約20年間気功を教えてきましたので、この経験を生かして、できるだけ瞑想のことを分かりやすく伝えるように努力しました。落ち着いてゆっくり読むと誰でも瞑想出来るようになると思います。 4.練習と合わせて何度も読む事が出来る本です。 この本は、理論を説明するだけの本ではありません。一度読んで理解したらもう手に取らないという本ではなく、何度も練習しながら、繰り返し読む事が出来る本です。この本を読めば読む程、理解が深まり、新しい発見があります。皆さんは体質も異なり、体調の波もありますから、練習すればする程、さまざまな感覚が出てきます。その感覚と合わせて、本を読むと新たな収穫があると思います。 以上で第3冊目の本について紹介しました。 皆さんの瞑想の役に立つことが出来るなら幸いです。 |